なんもない時間

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海を眺めて恋せよ乙女

「最近どうですか?」

大人になってからこういう質問をされる事が増えた。

はっきり言って上手く返答出来た事がない。大抵は「最近ですか?う〜ん...」などと悩んだ挙げ句に「運動不足がすごいですね」とかゴミみたいな返事をしてしまう。
ニュースはある。後から思い返すとちゃんとそれなりに日常の中に語れる出来事は存在するのだ。だけれど瞬時に引き出せない。僕はあまり頭の回転が早くないので、ひとつひとつゆっくり考えながらでないと話が出来ない。なのでそういう瞬発力のある人にはついつい憧れてしまう。質問に適した答えとぴったりの言葉をさっと引き出せる人を見るとうっとりしてしまう。



先日、鴨川シーワールドに行った。青春18きっぷを使って片道3時間半かけて。始発に乗ってゆき、夜中に帰ってきた。

シャチのショー、ペリカンの散歩、エイの裏側、眠れないアザラシ。見ていて飽きないものばかりだった。
昼食のバイキングにはシーフードが多く並んでいた。


鴨川シーワールドは海岸沿いにある。閉館後、砂浜へ行きしばらく海を見ていた。
海を眺めるのは久々だった。砂がたくさんと塩水がたくさん。一定の周期で波がざざんとしていた。特別な演出も仕掛けもない、それだけの繰り返しをじっと見ていた。なんで飽きないんだろう、と思いながら見ていた。海は広いな大きいからだろうか。

うみはひろいなおおきいな

というこの歌詞を僕は密かにバカにしていた。バカが書いた詞かと思っていた。けれど実際に海を眺めるうちに思ったのはひろくておおきいなという事だった。そのくらい広くて大きかった。ごめんなさいって思った。海をずっと眺めてたら頭がだんだん空っぽになってバカにもなるよねって思った。しかし良いバカになれるなぁと思った。

そうだ、今度「最近どうですか?」と聞かれたらこの事を話そう。

「海へ行きました。鴨川に行きました。シーワールドでシャチやペリカンやエイやアザラシを見ました。砂浜へ行って海をたくさん眺めて、バカになったけど良いバカなんです」
話せる思い出が出来た。忘れずにいよう。きっと忘れずに話そう。素敵な思い出を自慢してやろう。ここへ来て本当に良かった。




今日は古本屋のバイトだった。常連のお客さんと本の話に花が咲く。

「ところで最近はどうですか?」

「最近ですか。目が全然見えません。あ、ちげぇ!海行きました!」



おしまい
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  1. 2014/07/25(金) 23:28:11|
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意味を持たせて恋せよ乙女

発音が好きな言葉というのがある。

ささやか
おとなしい
清潔
ハサミ

立ち姿

などなど。意味に引っ張られていないとは断言出来ないけれど、発音そのものがとても心地よく、何度も発したくなる。
こうして並べて見ると自分は「さしすせそ」に弱いのかとも思ってしまうけれど

居眠り
宇宙
毅然
なずな
みどり

なども大好きだ。

「いねむり」という響きは実際の意味にピッタリ合っていると思う。そもそも僕は「ねむり」系が好きで、「ねむたい」なんかも特に好きである。自分が正に眠たい時、「ねむい」よりも「ねむたい」の方があの眠りの際の独特の甘みを隅々まで表現しているように思える。

他にも、


花火師
見識
封筒
スズメ
三階

など、挙げていけばきりがない。
「三階」に関して、僕は「さんかい」派だ。
「さんがい」では何となく品がない。「さんかい」には巨大さと静けさと寂しさを感じる。それでいて口の動きは爽やかで、発音がとても気持ちよい。こんなに素敵な発音なのに、同音異義語が思い付かない。強いて言えば「三回」だけれど、このイントネーションはどうにも好ましくない。

散開
散会
山海
山塊
参会
刪改
三戒
三槐
散灰

調べてみたら案外たくさん見つかった。知らない単語ばかりだった。「散灰」というのは遺灰を海や山に撒くことだという。その行為に名前があった事が驚きである。
「さんかい」はやはり「三階」なのだ。身近な「さんかい」がないからこそ「さんがい」を使わなくても困らない。


言葉について、常に厳密であろうとしている。それでいて潔癖にならない事が難しくて、未だにバランスは悪いままだけれど。僕は日本語が好きなのだ。それを大人になってから嫌というほど実感する。歌うことの満足も、気持ちよく好きな言葉を発音出来る快感がかなり大きく占めている。

単純な言葉ほど場面や声の調子や発した人の表情や気配などによって大きく印象を変えるもので、歌を歌ったり聴いたりするとその現象に触れる事がとても増える。僕はそういう瞬間がたまらなく好きなのだ。
先日、「かわいいトラウマ」という歌を作った。タイトルが決まった時、僕は自分でつけたそれが曲のイメージにぴったりと角を合わせて重なり合うのを感じて嬉しくて何度も頭の中でそれを繰り返した。実際に発音したりもした。自分の思い出や空想を納得のいくように明言できる事を僕はいつだって望んでいる。だからそれが実現すると涙ぐむ思いがする。あとは楽しむだけなのだ。何度も何度も一生かけて同じ思い出や同じ空想を発音して反芻する。歌は一生ものだ。



発音の好みから話がずれてしまった。

ひさらける
たみざ
まきしな

上記の3つは発音の好みだけで僕が勝手に作った単語だ。
意味さえ生まれれば使ってみたいと思う。

以上、まきしなではあるけれど、たみざのくる前にひさらけるとしよう。
  1. 2014/07/13(日) 00:46:35|
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利根川風太

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都内で弾き語りとか最近バンドとかやってます。

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